• ホーム
  • クラミジアに感染した際の治療法

クラミジアに感染した際の治療法

2020年01月07日

現在の日本における性感染症の中で、年間の新規患者数のトップは性器クラミジアになります。原因菌はクラミジア・トラコマティスという細菌で、感染により性器やその周辺に炎症を来します。性活動の盛んな10から20代の若年層に患者は集中しており、年間新規感染患者数は2万人程度で推移しています。もっとも感染しても深刻な身体的影響をもたらすことは少なく、特に女性の場合は無自覚のまま経過することが珍しくありません。症状が見られるとしても、男性の場合排尿時の違和感やさらりとした分泌物の排出が観察される程度で、女性の場合でも性器の痒みや不快感、オリモノの増加などに留まるのが大半です。

ただしクラミジアに罹患した場合の身体的影響として軽視できないのは、不妊症の原因になるリスクが存在している事実です。クラミジアは当初は膣に感染しますが、適切な治療をしないで放置しておくと子宮の入口から内部に広がり、卵管や卵巣などの子宮内器官まで感染範囲が拡大します。卵管は受精卵が子宮に着床するために必要不可欠な通り道です。クラミジアで炎症が起こると、治癒しても後遺症として狭窄してしまうことがあります。卵管が狭窄すると、正常な着床が困難となり不妊や子宮外妊娠などのリスクが高くなるのです。

長期的な身体的影響を考慮すると、適切なタイミングで治療に取り組むことが必要です。治療法はクラビットやジスロマックなどの抗生物質を投与して、クラミジアを体内で根絶することにあります。クラビットはニューキノロン系の抗生物質の一種で、従来の抗菌薬に比較して作用が強力で幅広い抗菌スペクトラムを有していることから、幅広い感染症治療に使用されてきた実績の豊富な治療薬の一つです。しかしあまりに頻繁に医療現場で使用されたことで耐性菌の出現が問題視され、現在ではクラビットにかわってジスロマックが第一選択の治療薬になっているようです。

ジスロマックとはマクロライド系の抗生物質の一種で、アレルギーを起こすことが少ないのでペニシリンにアレルギーを持っている場合でも投与可能です。ジスロマックの特徴に服用回数を少なくできるというものがあり、1日1回3日間の服用で同種類の抗生物質を7から14日間服用したのと同等の効果を期待できます。

クラミジアは男性も女性も症状があっても、性器に少しの違和感を覚える程度のことが多いでしょう。しかし不妊症などのリスクを踏まえると、少しの違和感でも軽視しないことがポイントです。

関連記事
カンジダに感染した際の治療法

カンジダはデリケートゾーンに頻発する感染症の一つで、特に膣で異常増殖し炎症症状を来すことがよくあります。男性でも性器に症状が出る場合があるものの、圧倒的に女性が罹患することが多い傾向がみられます。実に日本人女性の5人に1人は、生涯に一度は膣カンジダを経験するとされています。カンジダとはカビの一種で、...

2019年12月05日
トリコモナスに感染した際の治療法

性感染症の原因にはいろいろな微生物が関係していますが、その多くは細菌やウイルスのカテゴリーに分類されるものです。しかし、中には細菌でもウイルスでもないものが原因になっている場合があります。例えば、ケジラミは人間に皮膚に寄生して吸血することで繁殖を行います。ケジラミは昆虫に近い種類ですが、サイズでは微...

2019年12月20日
性病に感染しないために注意する点を調査してみた

性病とは感染粘膜に接触することで、原因菌が移行して伝染する病気のことです。性病を感染させる典型的な行為は性行為を持つことです。粘膜は皮膚のバリア機能に相当するメカニズムが備わっていません。もちろん免疫機能により外敵に対する防御機構が機能してはいても、少なくとも感染自体を跳ねのける機能は粘膜には備わっ...

2019年11月16日
ヘルペスの薬は処方せん以外でも入手することができる

現在ではヘルペスの治療薬は、バルトレックスやゾビラックスなどが主な選択肢になります。バルトレックスは服用するタイプのみですが、ゾビラックスは飲むタイプ以外にも軟膏や点眼薬などバリエーションが豊富です。患部の部位や状態に合わせて最適の治療薬を選択することができます。とはいっても、日本国内ではヘルペス治...

2019年10月28日
ヘルペスの治療にはゾビラックスも推奨します!

現在ではヘルペスの治療においてはバルトレックスの服用が主流ですが、この治療薬が登場する以前ではゾビラックスが臨床現場で投与されてきました。ゾビラックスは人類史上初の抗ウイルス剤との異名もあるほどで、ウイルスの増殖を抑制するという画期的な効果がもたらされたことで大きな注目を集めました。ウイルスは細菌に...

2019年10月15日